聞き屋のたぬ吉

アラサー会社員たぬ吉の、心のスキマを埋める旅

【再投稿】私の心を叩いてる

実はこのブログを立ち上げたのってもう二年くらい前で、書き始めたのがちょうど去年の六月あたりだったと思います。最初の頃は順調に投稿していたんですが、ある日記事をすべて消したくなってしまいました。

 

一旦は下書きフォルダに戻した記事とそのまま削除した記事があって、下書きの中にこの記事が混ざっていたので読み返しました。2017年6月24日の日付で残っていたもので、こんなの書いたっけ?と思ったんですが、意外と悪くなかったので再投稿してみようと思います。

 

ちなみに時事ネタです。

 

 

*   *   *

 

 

衆議院議員豊田真由子氏が秘書に暴言を放って罵倒・暴行したとされる記事が、おととい発売の週刊新潮に掲載された件。自民党を離党することで話がついた様子だが、議員辞職ではないあたりが自民党らしいなと思った。まずバッジを外して有権者にけじめをつけるのが筋なのではと思うが、今回は単純に豊田氏を批判したい訳ではなく、わりと真面目な内容である。

 

問題の音声を聞かせてもらったが、予想以上の内容で不覚にも笑ってしまった。

ネットではこの音声が非常に使い勝手がいいと評判のようで、面白おかしく加工された動画が雨後の筍状態。どれも「それなり」の仕上がりで、本当に仕事が早いなと感心してしまう。

 

閑話休題

三船美佳高橋ジョージが離婚騒動になったとき、モラハラというワードが話題になり、近年広く知られるようになった。この要因になっているとされるのが自己愛性人格障害で、豊田氏も恐らくこれではないかと推測する。この障害の詳細については他のサイトで解説されているので割愛するけど、先日自身の聞き屋で受けた相談と絡めて、これについて少し書いていきたいと思う。

 

*   *

 

五月某日の北千住駅、座り始めて間もなく仕事帰りの女性二人組が話しかけてくれた。

女性「お話聞いてもらえるんですか?」

「ええ、愚痴でも何でも聞きますよ。」

女性「えー、面白いですね。お兄さんはいつもここでやってるんですか?」

「いつもではないですよ、いろいろ回ってるので。」

女性「なんか新しいですね、聞き屋なんて。」

 

~途中省略~

 

世間話が一段落すると、片側の彼女は少し笑っているような、困っているような表情でこう切り出した。

「物を投げる男の人って、どう思いますか…?」

聞けば彼氏がキレやすく、些細なことで言い合いになってしまうのだそう。特に彼の間違いや、それってどうなの?と思うことを指摘するとすぐに逆上。彼とは部署は違うけど職場が同じで、つい先日も仕事帰りのファミレスで派手に言い争ってしまい、その日から疎遠になっているという。

 「んー、そうですね。オイラが思うに、それはある意味、彼からのSOSだと察します。」

 「SOSですか……?」

「単に怒りっぽい性格、ということではないんだと思います。」

 

臨床教育学者の岡本茂樹氏は、著書「反省させると犯罪者になります」の中でこう述べている。

 

私たちは子どもの問題行動を歓迎しています。なぜなら問題行動とは、「自己表現」の一つだからです。 

 

反省させると犯罪者になります (新潮新書)

反省させると犯罪者になります (新潮新書)

 

 

たまたま例に出ていた人物が未成年なので子どもと書いてあるが、大人でも全く同じ事が言えると岡本氏は語っている。

 

彼女の話を聞いていて、すぐにピンときた。これは一種の自己表現で、彼の中で根深い問題を抱えているのだろうなと。

 

オイラもずっとそうだったから本当によくわかる。きっと彼は自己肯定感が著しく低く、自分に自信が持てないが故に、自己防衛として些細なことで当たり散らしてしまうのではないか。

自分の場合はもっとひどかった。

小さい頃から感情のコントロールが効かず、何か気に入らないことを言われると不安で攻撃されていると捉え、学校では机や椅子を投げて暴れていた。どこに行っても問題児扱いで、ついには児童養護施設に入れられてしまった過去がある。

 

自己肯定感とは通常親との強固な信頼関係の中で生まれるもので、親にありのままの自分を受け入れてもらう事で初めて、人は自分に自信を持つことが出来るようになる。幼少期にこの体験が乏しいと、基本的に人を信頼するのが臆病になるので、人との距離感や接し方が不自然になってしまう。

これに虐待や過干渉、発達障害などの要因が重なると、成長するにつれてモラハラや虚言癖など、高い確率で問題行動に結び付いてしまうのである。

 

オイラは大人なんて所詮、年を取っただけの子供だと思っている。大人になるっていうのは、言い替えれば「普通」を装うことである。

もし、その「普通」を演じることが難しい人たちが、自分の意思とは無関係に、目に見えないハンディキャップを抱えてるのだとしたら。そう考えると豊田氏も相談者の彼も、他人事とは思えなかった。

 

もちろん暴力は犯罪だし、物を投げるのも良くない。ここまでは許されるけど、これ以上はダメなんだっていうボーダーラインは理解してもらう必要はある。特に自己愛性人格障害は、症状によって周囲がその人から離れることでしか問題が解決しないケースも多く、身近にいたら本当に辛いだろうなと思う。

 

豊田氏については自分が言うのもなんだけど、相当なまでにこじらせてしまっているケースだと見受けられた。専門の病院で適切な治療を受けるのが一番だと思うけど、自覚がないと難しいだろうな……。このハゲー!の部分は正直笑ってしまったけど、同時に心の奥底からの悲痛な叫びにも聞こえて、いろいろと考えさせられた。

 

一方、相談者の彼はそこまで深刻なケースではないけど、心のケアが必要だろうなと思った。まだ好きな気持ちがあるのなら、出来る限り寄り添ってあげてほしい。きっと今は、あなたがどこまで許してくれるのか試してるのかもしれないから、根気強く愛情を与えてあげて下さいとアドバイスをした。

 

*   *

 

映画「きみはいい子」 の中で新米教師を演じる高良健吾が、最後のほうで自分のクラスの子供たちに出す宿題をふと思い出した。

 

「今日帰ったら、誰かに抱きしめられてきて下さい。」

 

(amazarashi『自虐家のアリー』2015年)